大学院生の声

大学院生に、大学院進学という選択をした理由や、大学院生としての日々について、話を聞きました。
欧米言語文化(英語、スペイン、日本語)、中国語文化の大学院に進学を希望する皆さんは、日本人学生、留学生、社会人入学の先輩の話を参考にぜひ挑戦してほしいと思います。

村松琢也

村松琢也
欧米言語文化専攻
博士前期課程2年
(2012年現在)

所属する欧米言語文化学会も学生が主体で運営しているので大学院生同士協力しながら頑張っています。

―大学院生活について教えてください。

担当教授との授業では、第二言語習得に関する最新の学術論文を毎週読んで、世界の最新の研究成果を知ると共に、どのように修士論文を書くのかを実践的に学習しています。また、大学院は少人数なので他の授業でも先生方からとても親身に修士論文の執筆にアドバイスをしていただいています。
施設の面でもとても充実しており、大学院生一人一人に机とパソコンが支給されています。とても快適な環境で研究生活を送ることが出来ます。他にも、言語研究センターには最新の論文から過去のものまで様々な分野の研究論文がそろっているので大学院生になった際には是非利用してみて下さい。生活面でのサポートも充実しており、豊富な奨学金のほか、学内アルバイトも充実しています。先生のもとで授業のアシスタントをするティーチングアシスタントと、学内のパソコン室を管理するスタッフがあります。
また、所属する欧米言語文化学会も学生が主体で運営しているので大学院生同士協力しながら頑張っています。

―修士論文ではどのようなことを研究していますか?

学部生の時は、英語学の意味論について研究をしていたのですが、卒業論文を執筆しているときに言語学を研究する楽しさを実感しました。将来は英語教師になろうと思っていたので自分の研究分野を理論言語学から応用言語学の第二言語習得に変更し大学院生活をスタートしました。
修士論文では授業内における、英語を第一言語とする教師と英語を第二言語とする生徒のやり取りを分析し、教師のどのような発話が生徒の第二言語習得に有効かを量的研究および質的研究の両側面からアプローチしていこうと思っています。第二言語習得は言語心理学など様々な研究領域と密接に関連しているので勉強することは多いですが、人類がどのように言語というツールを習得するのか、また、学んだ理論を自分の授業にどのようにして活かしていくのかを考えるのはとても面白いことです。日々、第二言語習得および関連分野の研究論文や研究雑誌からさまざまな成果を学ぶとともに、指導教授の指導を仰ぎながら研究生活を送っています。
常に自分が何を研究したいのか考え、主体的に学習し必要があれば学会などに出席する行動力や自分の意見を発表し、ディスカッションする社会性などが社会人以上に必要だと感じています。

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山本 佑樹

山本 佑樹
欧米言語文化専攻
博士前期課程2年
(2012年現在)

マンツーマンに近い授業。知識のつくスピードや 深さは大学生の頃とは大きく異なります。

―授業の具体的な内容について教えてください。

どの授業も1〜3人で行っています。マンツーマンに近いので、知識のつくスピードや深さは大学生の頃とは大きく異なります。私の専攻はスペイン語の文法についてです。具体的には、点過去形と線過去形はそれぞれどのような時の副詞と共起しやすいのか、そしてその結果をどのようにして分かりやすく学習者に伝えることができるのかです。指導教授の講義では文法全体のことを学び、演習では研究テーマである過去形についての知識を深めています。現在(11月)は論文の追い詰め時期なので、授業でも執筆中の論文のチェックをしてもらっています。
指導教授以外の教授方もとても協力してくださり、文法専門の教授からは文法の事、それ以外の教授からは論文の構成の仕方というようなアドバイスをたくさん頂いています。

―TAの仕事はお勧めします!!!

いま学内でアルバイトのTA(ティーチングアシスタント)で教授の授業補助をさせて頂いています。
授業で使う教材の準備や、小テストの添削補助が主な仕事です。また、TAの最中に学部の学生が訪ねてくることがあり、質問に答えたり、アドバイスをしたりします。このことは自分自身の復習にもなるし、将来教師になるという目標の予行練習にもなるため、良い経験をする事ができた、と実感しています。ぜひ経験してみてください。

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渡邉 友里恵

渡邉 友里恵
欧米言語文化専攻
博士前期課程2年
(2012年年現在)

専攻コース以外の授業も選択可能、先生の授業を補助する TA(ティーチング・アシスタント)は絶対お勧め!

―専攻の授業について教えてください。

私は2011年度に開設した欧米言語文化専攻の中の「スペイン語圏言語文化コース」に所属し、スペイン文学の講義やスペイン語学の講義を受講しています。具体的にはヴィクトル・カルデロン先生の指導の下、バロック時代の傑作であるカルデロン・デ・ラ・バルカのコメディア:"La vida es sueño"『人生は夢』を、韻律論や思想論など様々な視点から分析・研究 しています。この他にスペイン史やラテンアメリカに関する講義もありますので、スペインだけでなくラテンアメリカにまで興味の幅を広げることも可能です。私は「比較言語文化コース」の講義も受講し、研究の視野を広げることができました。このように自分の専攻分野に限らない授業が選択できることは非常に魅力的だと感じています。

―TA(ティーチング・アシスタント)制度はぜひ活用してください。

先生の授業の補助としてTA(ティーチング・アシスタント)をしています。学部生向けのスペイン語教材の作成や小テストの採点補助などが主な仕事です。スペイン語小テストの採点補助は自身のスペイン語の勉強に繋がるので、非常に良い制度だと思います。私は学外でアルバイトもしていますが、2年次になると論文執筆が本格化する他、学会での研究発表や就職活動なども忙しくなります。
そうするとアルバイトの時間も限られてくるため学内のアルバイトの重要性はさらに増します。私は学内アルバイトで貯めたお金で2年次にスペインのバジャドリードに2週間の語学研修に行きました。
社会人になるとこういった短期の語学研修に行くことも難しくなると思いますので、奨学金やTA制度などを上手く利用して、大学院生のうちに様々な経験を積むことをお薦めします。

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安信美紀

安信美紀
中国言語文化専攻
博士前期課程2年
(2012年現在)

中国語コミュニケーションと人にものを教えるという経験ができました。

―まずは、大学院生活について教えてください。

授業では論文の構成やどのようにすれば論文をわかりやすくすることができるかについて実際に論文を読むことで学ぶことができました。また、大学生の時より専門的な言語学の各分野についての授業もあり、言語について研究するにあたって必要な理論についてもしっかり勉強することができました。また、学内でのアルバイトもしています。ティーチング・アシスタント(TA)では、指導教授である彭国躍先生の補佐をしています。具体的には、小テストの採点補助や、中国語学科、中国言語文化専攻で行われる各種イベントのポスター作製などをしています。自動学習室管理のアルバイトでは、中国語学科の学生と中国言語文化専攻の大学院生が使用できるパソコン室の管理として、利用方法の説明、室内の整理整頓、パソコン操作指導などをしています。ただ授業を受けて研究を進めるだけではできない人とのコミュニケーションや、人にものを教えるという経験ができています。先生方、先輩、後輩たちと楽しい大学院生活を送っています。

―修士論文ではどのようなことを研究していますか?

大学の卒業論文では「言う」や「話す」という意味を持つ中国語の動詞 "说"、 "讲"、 "谈" の使い分けについて研究したのですが、その研究を深めたいと思ったので大学院に進学しました。卒業論文では現代中国語の「普通話」での違いについて研究していましたが、修士論文では「普通話」のみではなく中国各地の方言での違いについての研究に広がりました。中国には多くの方言があり、また同じ方言を使用する地域間でも「言う」や「話す」という意味を表すのにどの語を使うか、また、それぞれの語をどのような意味で使用するかに差があるのでその差について各地域の方言詞典のデータをもとに研究しています。中国語においては、地域によって使用する語そのものや語の意味が変わるところが面白いと思っています。たとえば、「普通話」では「言う」や「話す」といった動詞的な意味を持たない"话"は、一部の地域で動詞的意味を持つことがわかりました。このように、「普通話」のみを勉強しているだけでは気づかないことが多く、とても面白いです。

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田遠

田 遠
中国言語文化専攻
博士後期課程2年生
(2012年現在)

幅広い視点を得ること、新たな発想が大事だ、ということを学びました。

―まずは、日本の初印象を聞かせてください。

2008年に来日しました。北京出身です。電車の中で私語が少なく、携帯をかける人もいなかったので、驚きました。また、道路の幅や住宅など狭いがとても綺麗、というのが初印象です。あと、刺身とかサラダなど中国ではあまり食べてなかったのですが、さっぱりした日本料理が大好きになりました。

―修士課程の勉強と生活について教えてください。

専攻の中の「歴史・文化」分野で、主に大里先生と孫先生の指導を受けました。入学した当初は研究テーマが決まらず、中国思想史の研究を目指していました。その後、戦後直後の1945年から1950年代までの日中関係史研究にテーマを定めました。しかし、研究テーマが決まったことまでは良かったのですが、何をどうすれば良いか分からず大変でした(笑)。その後、当時の中国人留学生が発行していた新聞『中国留日学生報』がプランゲ文庫に含まれていることが分かり、修士論文の資料として大いに役に立ちました。また、『エビと日本人』、『想像の共同体』などの本を読みながら、論文の構成と論理の組立て等について勉強できたことも印象に残っています。中国語学科の日本人学生(3年、4年生)が中心になって行う「上海メディア教材作成プロジェクト」(2010年9月)にも参加し、日本人学生の活動を近くでみることができたことも良かったです。修士課程ではとくに幅広い視点を得ることが、新たな発想が大事だ、ということを学びました。

―博士課程の研究と生活は充実していますか。

博士課程1年目の時に、神奈川大学の派遣で北京、上海、南京の資料調査に行くことができました。1945年を前後した時期に日本留学を経験した方の5名にインタビューをすることができました。中でも郭平坦氏の話は日中国交回復の裏話でもあったので、新たな発見があり、驚きました。また、博士課程2年目の時には神戸の華僑博物館の調査で、神戸の留学生が中心になった雑誌『星火』や『僑務報』(1950年代〜1970年代)が現存することが分かりました。いまは、これらの資料を読み込み、博士論文を完成させたいと思っています。博士課程に入り、外国語学部の中国語学科が運営する中国語勉強会のChinese Expressの運営を任されたり、「辛亥革命100周年」をテーマとした国際シンポジウムの運営ステップに加わるなど研究の他に、実社会で通用する社会経験も積んでいることに気付きました。指導教員と先輩、後輩たちのお陰で充実した毎日を送っています。

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鈴木進一

鈴木進一
中国言語文化専攻
博士後期課程3年
(2012年現在)

社会人入学と修士号の学位の獲得、博士号の獲得を目指すという夢がかないました。

―鈴木さんは社会人入学でしたよね、どうして神奈川大学で中国語を勉強しようとしたんですか。

はい、2006年に学部の3年次に編入学しました。2000年に私は仕事を辞めて、しばらく休養をとる目的で台湾に住むことにしました。台湾に住むためにはビザが必要で、そのビザを取るためには学生になるのが一番簡単なんです。当時、日本で仕事帰りに週に1度中国語を習い始めていたんですがなかなか上達せず、この機会を利用して、休養を兼ねて台湾で中国語を勉強しようと、国立台湾師範大学の国語中心(外国人に中国語を教える機関)の学生になりました。約3年、台北で過ごし2003年に帰国しましたが、当然のことながら日本の生活では中国語は必要ないので、どんどん中国語を忘れていきました。そんなとき神奈川大学に中国語学科があったのを思い出し、せっかく覚えた中国語を少しでも忘れないようにするために、神奈川大学の外国語学部中国語学科に編入試験を受けて入学しました。

最近は多くの大学で学科の統廃合が行われ、中国語を教えていても「中国語学科」を設置している大学はほとんどなく、神奈川県では神奈川大学1校だけだと思います。もし当時、神奈川大学に「中国語学科」がなく別の名称が付いていたならば、神奈川大学では専門的に中国語を教えていないだろうと、私は判断ミスをして遠くの大学か或いは中国語の勉強をあきらめていたかも知れません。日本最大の中華街をひかえ、中国人も非常に多く住んでいる横浜には、神奈川大学の「中国語学科」は必要不可欠だと思います。

―博士前期課程の勉強と生活はどうでしたか。

神奈川大学に入学したときは、学部の2年間を終えたら卒業して就職するつもりでいました。ところが学部の卒業論文を書くためにいろいろ調べていくうちに、調査・研究の面白さを知り、大学院に進学しました。これまで研究をしたこともないし論文を書いたこともなかったんですが、指導教授の彭国躍先生が基礎の基礎から丁寧に指導してくださったおかげで、何とか修士論文を書きあげることができました。

生活面では、前期課程に入学した当初は、午前中は中学で非常勤講師として教え、午後大学に来て講義に出席したり、論文のための資料作りをしたりしていました。幸いなことにその後日本学生支援機構の奨学生になれ、更に神奈川大学のいくつかの奨学金をもらうことができ、大学の方だけに専念できるようになりました。神奈川大学の特徴の1つは、奨学金制度が他の大学に比べて充実していることです。高校から大学へあがる際の「給費生制度」は特に長い歴史がありよく知られていますが、最近では「米田吉盛教育奨学金」も新設され、採用される対象者も一層多くなり、研究に専念したい学生にとって大きな助けとなっています。もし奨学生になっていなければ大学院は続けられなかったと思うと、神奈川大学の充実した奨学金制度は大変有難いと思っています。

―博士後期課程や大学院全体についてどんな感想を持っていますか。

博士後期課程は3年間ありますが、3年目の9月には博士論文を提出することになっているので、実質的には2年半で研究成果をまとめなければなりません。修了を延期する人や単位取得後退学し、その後論文を提出する人もいますが、私の場合は年齢的なことも考えて、何とか規定期間で書こうと考えました。2年半はとても短いです! 私にとってはすべてが初めてのことで、試行錯誤しているうちに過ぎてしまい、2年半が終って初めてこの期間をどのよう過ごせばよいか分かった次第です。これから博士後期課程を迎えようとする人は、先生や先輩から十分情報を得て、是非有効に、そして計画的に時間を使うことを勧めます。

欧米の大学では若い人ばかりではなく、様々な年代の人が大学や大学院で勉強していると聞きます。日本でも最近になって、一旦社会に出て働いてから大学に入る人、働きながら大学院に通おう人、リタイヤしてから大学に通う人などがようやく現れているようです。年齢の枠を越えて互いに刺激し、吸収しあうことは、お互いのためによいことであるし、本来大学はそうあるべきだと思います。私の年齢は一般の学生よりはるかに上ですが、神奈川大学が門戸を広げて受け入れてくれ、再び大学・大学院で勉強できたことを幸せに思っています。

外国語学研究科概要
3つのポリシー
欧米言語文化専攻
中国言語文化専攻
『言語と文化論集』の刊行
大学院生の声
卒業後の進路